ペソアから新しい取り組みとして、mãoが始まります。

読み方は「マオン」です。

ポルトガル語で手や手作業を意味する言葉です。

その名の通り、「手」にまつわる所作を見つめられるものをこれから作っていきます。

第一号となるのは、コーヒーを飲むための、コーヒー椀です。

私の生まれた石川県の九谷焼で作ってもらいました。

職人たちの確かな技術が息づく。伝統と創造が調和する九谷焼。

私たちの想いを形にしていただきました。

このコーヒー椀は決して飲みやすい、使いやすいとは言えない形をしています。

両手でそっと包みたくなるような形、手のひらに沿うように狭まっていく飲み口。

その形が、コーヒーの温もりや、香り、さらにはそのひとときに込められた想いまで感じさせてくれます。

コーヒーというと、カフェや喫茶店などで誰かと談笑しながら、または一人で何か作業をしながら、というイメージがあります。

もちろん、日常のお供にコーヒーがあることはとても素敵なことです。

けれど、たまには他のことは一旦置いといて、コーヒーと真正面から向き合ってみませんか？

目の前の一杯のコーヒーには、たくさんの物語と想像もできないような世界が広がっています。

その全てを余すことなく享受できる器です。

私はコーヒーが大好きです。

たまには何かのお供や片手間ではなく、コーヒーだけを見つめて、そのコーヒーが辿ってきた道筋や込められてきた想いに、心を馳せる時間があってもいいんじゃないかと思います。

そんな想いでこのコーヒー椀を作りました。

この器を通してもっとコーヒーを好きになってもらえたら嬉しいです。